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超音速旅客機での移動は必要か?
先日アメリカのユナイテッド航空がブームスーパーソニックへ超音速旅客機オーバーチュアを15機正式に発注したと発表されましたね。
2026年の初飛行、2029年の実用化を目指して米ブーム・スーパーソニック社が開発中のSST「オーバーチュア」。本日6月3日、ユナイテッド航空はこの超音速旅客機を15機(+オプション35機)導入する計画を発表。想定される投入路線にはサンフランシスコ=東京線が含まれています。https://t.co/tlPlFePfiE
— 月刊エアライン編集部 (@ikarosairline) June 3, 2021
実はこのアメリカの超音速旅客機メーカーであるブームスーパーソニックには日本航空が2017年に1000万ドル(11億円ほど)を出資しており、優先的に発注する権利を得ているのです。


ちなみにマッハ1が時速1230キロぐらいでオーバーチュアはマッハ1.7(時速で約2082キロ)で飛ぶ予定、今の旅客機は当時からずっとマッハ0.8ほどで飛行し続けているので倍のスピードです。
移動する価値、時は金なり
結論はタイムイズマネー、で移動は目的ではなく手段なのでサクッと目的地に着いて生産的なことに時間を使うべきなのです。
ビジネスパーソンの出張で東京ー大阪ぐらいなら新幹線や飛行機で日帰りで行くのに、わざわざ時間のかけてクルマでいかせる会社は無いですよね。


東京ーパリの移動って実は経由した方が安い
実は旅客機に乗る際にもみなさんは知らず知らずに早く行ける直行便を高額で乗っていたりするのです。
例えば東京ーパリ間を第3国のドバイなど中東を経由して乗り継いだ方が安く行けたりすることが多くあるけど、みな直行便を高く買って乗ったり。。
よっぽど用事があるとかでなければ直行便で行って現地での業務や、旅行であれば現地を早くいっぱい楽しめる方がいいですよね。
旅客機が2倍速で動ければ地球はもっと小さくなる

医療の分野では臓器提供が輸送時間の都合でドナーが遠隔地の場合は、何千万もの費用をかけて海外に転院していたものが臓器の輸送で可能になる。
費用の問題であきらめていた治療が可能になり救われる命がまた一つ。
シアトルぐらいなら日帰りで行ける日がやってくるかもしれませんよ〜拠点がシアトルのアマゾンやマイクロソフトの出張ならありそうでは??笑
まだまだこの世界には海を越え時間を短縮して有益なことがたくさんあり、それを可能にしようとしているのが超音速の旅客機なのです。

マッハの飛行機コンコルドはどうして飛ばなくなったの??
当時フランスとイギリスが共同で開発したコンコルドはさかのぼること1969年にもうすでに飛んでおり、これはあのビートルズが解散する前の年のことです!
50年前にすでに技術的には可能だったのになぜ。。ということになります。
環境上の問題
まずは燃費がとんでも無く悪かったこと、、超音速で飛ぶことはできても現代のエンジンの水準から考えても4倍は燃料を消費する計算になります。
そして音速を超えたスピードに達すると空気の衝撃波(ソニックブーム)が発生し騒音被害が著しく飛行できる場所が限定されてしまったこと。
家のガラスが割れちゃうほどなんだよー、しかも現代では持続可能な〜とかSDGsとか言っているのに対して逆行してしまいがちですよね。


採算がとれない
先ほどのめちゃくちゃ燃費が悪いことに加えて座席数が100席ほどしか確保出来ずに、更にファーストクラス以上の価格帯という値付けで不人気であったこと。
衝撃波などの騒音の問題から飛べる路線と離着陸が可能な空港も限られた上に、採算も取れずに飛び続けるというのはとても厳しい状況ですね。。
元から固定費が高い業界であるだけにコストダウンを図った結果、当時飛びはじめたボーイング747(通称ジャンボ)が大量輸送に見合うということで業界がシフトしていったこと。
またオイルショックなども背景にあり燃費の悪いことに追い討ちをかけてコストが高くついてしまったわけです。
最後は墜落事故とアメリカ同事多発テロが追い討ちを
コンコルドは2000年7月シャルルドゴール空港離陸時に他社の飛行機のパーツに巻き込まれる形で、離陸後エンジンを損傷してそのまま墜落してしまいました。
さらに翌年にはアメリカ同事多発テロが発生して逆風が吹く航空業界の中で、コンコルドは引退を迫られてしまったということなのです。
ブームスーパーソニック・オーバーチュアの概要は??



東京ーサンフランシスコを6時間で
前述のブームスーパーソニックという会社が2025年にも超音速旅客機オーバーチュアを商業飛行を開始、今年中には試験機で飛行を開始する予定とされています。
その中には太平洋の路線も含まれており東京ーサンフランシスコを6時間で結ぶという計画になっています!ハワイに行くより早く着けてしまいますね。
排出する二酸化炭素はゼロに
コンコルドが飛ばなくなった要因の大きな一つが環境負荷が大きいこと、ブームスーパーソニックは段階的に使用する燃料を100%SAF(持続可能な航空燃料)を使用して飛ぶとしています。
これによってエンジン燃焼時の排出する二酸化炭素はゼロになるということですが、SAF(持続可能な航空燃料)の技術革新次第的なところがあり現状は安定供給されていません。
また現状の飛行計画ではマッハ1以上で飛行するのは海上のみで地上での生活に支障が出ないように、飛ぶことが計画されているということで課題は多いのは変わりません。


価格は現状のビジネスクラスプラスαほど
何よりもこのシート価格が気になるところでコンコルド失敗の大きな要因だったり、、当時は実際のところ一部の富裕層やよっぽどのビジネスパーソンが乗っていたとのこと。
ブームの超音速機オーバーチュアは全席ビジネスクラスシートにしており座席数は60〜80席ほど、価格もビジネスクラスプラスα程度の価格で始められるようにするとしています。

超音速の旅まとめ

航空機とエンジンはめざましい進化を遂げており1960年代よりも燃料効率が80%高く、騒音は最大90%縮小されているということです。
ここ20年ほど止まっていた超音速の旅がまたはじまるなら、行った先でなにをしたいか考えておかないとなりませんね。
そもそもビジネス渡航は本当に不要になるの??という話題についてもこちらでお話ししているのでぜひ読んでみてくださいね♪ビジネス渡航は本当に不要になるの??答えはNOだよ!
国内でも超音速旅客機の開発は進んでいるとのことなので、またブームスーパーソニックの情報も合わせて紹介していきたいと思います!