2019年度の大手2社決算資料から見える数字でみていきたいと思います!
この新型コロナウィルス騒動、甚大な被害が出ている業界のひとつが航空業界です。
世界ではもう既に数社が破綻に追い込まれています。まずは日本の大手2社は
どこまで耐えられるのか?
固定費そんなにキツイの?
よくコスト的には破綻後のJALのほうが優れていると言われていますが、JALは人件費が高いな〜と思いました。
決算時の資料から得られる数値的にはANAは11%なのに対してJALはほぼ21%と人件費率でいくとJALはANAの倍。
企業規模や雇用人数からもANAの方が大きいのですが、意外だなぁと思ったのです。
2社を比較するとANAは社員一人当たりの生産性がとても高い!
連結決算の値だからLCC込は安いのか。。?
そして逆に整備費用はANAがJALの倍かかっており、何がそこまで違うのか企業努力が垣間見える気がしています。
破綻時に整備は棚に一つ一つの値段を掲示したり、ウェスを不要なTシャツを集めるなどして下げてきたものが効いているのかもしれません。
ちなみに、整備費をフリート1機あたりにするとANAは@5.8億、JALは@3.1億となり如実に差が出てくる。
航空機材は所有物?借り物?
JALは機材費用が低く抑えられてる印象です。
減価償却費とリース料がひっくるめて9%ほどなのに対してANAはひっくるめると17%という数値。ANAはリースだけでも7%ほど使っているのでこの開きはとても大きいのです。
直近で導入している機材はリースが多め。
一方JALは全体の10%で241機の中の24機がリース機となっているのです。
その割合ANAは減価償却費が抑えられているのかと思いきやそうでもないのが気になるところ。。
このブログは経営やマネジメントを論ずるブログではないために深くは突っ込まないにしても、どの航空会社もお金の流れが止まるとすぐにでもひっ迫してしまうのが常ということ。
既に海外ではヴァージンオーストラリアが経営破綻、あのルフトハンザが破綻という選択肢も辞さないとか。アリタリア航空は国有化が決定している。
どれぐらいの期間を持ち堪えことができるのか
よくこの固定費を見て、全便運行停止となった場合は各々何ヶ月持ち堪えることができるかみたいな記事を見かけるけどこの決算資料の数値から見ると、ANAは3.6ヶ月でJALは5.9ヶ月の間は持ち堪えることができる計算。
あくまで現金として廻せていればの話。そうなった場合確実にANAの方が状況としては、ひっ迫してくるからこのコロナ騒ぎになりいち早く資金の確保に動いているものと思われる。
資金が尽きてしまえばJALと同様で破綻するしかない。
ただ、政府も潰すことは無いのだと思う。。影響が大きすぎるからおそらく政府保証でもって資金を注ぎ込むことになるのだと思う。
航空業界の今後の在り方を考えてみた
こういったリスクがあることを前提に運営するのであれば現状の航空業界は、在り方を考えるべきだと思う。
ホテル業界のようにオペレーターとオーナーが住み分けられていることだってあっていいのでは無いか?
定期便を飛ばし続けること前提のオペレーションだって見直していいと思う。国内なら羽田ー伊丹とか30分に1本、本当に飛ぶ必要はあるのか。乗合タクシーのようなライドシェアで顧客が集まったら飛ばすでもいいのではないか?