猫も杓子も新型コロナウィルス一色ですね。どのメディアを見てもコロナコロナの嵐。
移動する人が減ると、当然ながら航空業界というのはどの業界よりも甚大にダメージを受けます。
毎日毎日、減便運休新規路線は延期などの雨嵐。
遂には破綻する航空会社まで出てきました。
ところで航空会社の破綻って、よく聞くけどさてなぜなのか??ちょっと考えてみましょう!
そんなによく潰れているの?
経営破綻や倒産件数だけでいくなら、実は小売りや飲食業等のほうが数は圧倒的に多いです。
ただ、航空会社が破綻した際によく取り上げられる背景としては、そもそもの
会社数が少ない上に負債額が膨大であるということ。
当時JALが経営破綻した際は2兆3200億円と事業会社としては過去最大規模だったこと。
そして、重要な交通インフラであり社会的な影響が計り知れないということです。
航空会社が破綻して清算された場合、航空会社社員だけではなく
あらゆる雇用が失われ路頭に迷う人が溢れてしまうのです。
このようなことから社会的なインパクトが大きい為に
大きく報道されるので「よく潰れている」と思われがちなのです。
今回の新型コロナウィルスの影響で遂に英国の地域航空会社フライビー(BEE/BE)が
破綻に追い込まれました。
地域のLCCということもあってかそこまで大きな影響は無いものの
確実にその波が世界に押し寄せていることには間違いがありません。
そもそも航空会社というのは、航空機に貨物や旅客を乗せて飛んではじめて売上が立つわけです。
しかし、今現在あらゆる国同士が入国禁止措置を講じており、
遂には3/13からアメリカがEU各国からの30日間の渡航禁止措置を取りました。
大西洋の人の流れが完全に停止するという異常事態です。
破綻の背景は??
装置産業であるが故に固定費が重くのしかかり、一度動き出すと経費が莫大にかかるのが
航空産業というもの。
先日、日経新聞の記事にもありましたが固定費の定義はさまざまあるとして、
飛ぼうが飛ばまいが必要な経費としてかかってくるのが機体の償却費、人件費、整備費というのが
おおよそどの会社も営業費用に対して4割(JALで42%ほど)、営業収益に対して37%ほどとなります。
これを賄うのに必要な搭乗率が50%とと言われており、比較的これを下回ると
赤字ラインと言われています。
航空会社が日々減便や運休を決めるのは、これをいかにキープするかであって
会社や社員を守るためなのですね〜。
JALに関して言うなら今回これほどまでに機動的に対応するのは経営破綻という苦い経験があるからと言えましょう。当時JALは放漫経営と、政治を背景にした無理な路線拡大からリーマンショックが引き金となり経営破綻に追い込まれました。
同じ轍は踏まないという意思の表れなのかもしれません。
私たちが今、業界のためにできることは?
スカイマーク の佐山会長の話の記事にもありましたが、全便運行停止になるとJAL/ANAでおおよそ2.5ヶ月、スカイマーク で2ヶ月ほどしか資金が回せずにキャッシュアウトしてしまいます。
政府や金融機関からの融資等何もしなければ潰れてしまうということです。
短いと思うかもしれませんが、実はこれ航空業界では最高水準の財務力!
とても優秀な会社だということです。
地政学リスクを受けやすい航空業界は今全体でおおよそ12兆円が失われていると言われています。
どこまで減便してどこまで運休していくのか歯止めがかかる様子はありません。
今私たちに出来ることは、残された便を有効に活用することと投げ売りされた
航空銘柄の株式を購入して応援することもありです。
今、とっても安いですからね。。